minneの手取りは (作品価格+送料)−(作品価格+送料)× 手数料率 − 実際の発送費 で決まります。メルカリと決定的に違うのは、minneは送料・購入オプションを含めた「注文合計」に手数料がかかる点。料率を暗記するより、この「注文合計に率をかける」形を覚えれば、料率が変わっても使えます。
minneで作品が売れたとき、出品者の手元に残る金額(手取り)は次の式で出ます。メルカリのように「商品価格だけ」に率をかけるのではない、というのが最大の注意点です。
手取り =(作品価格+送料+購入オプション)−(作品価格+送料+購入オプション)× 手数料率 − 実際の発送費
つまり覚えるのは「注文合計に率をかける → 切り捨てる → 実際の発送費を引く」の流れだけ。料率が将来変わっても、この順番は変わりません。以下、料率は最も使うPLUS非会員の10.89%(税込)を例に計算します。
まず注文合計(作品価格+送料)に10.89%をかけ、小数点以下を切り捨てた金額です。送料がいくらかは配送方法で変わるので、いったん「注文合計」という1つの数字に対して見ると計算が崩れません。
| 注文合計(作品+送料) | 販売手数料(10.89%・切捨) | 手数料を引いた金額 |
|---|---|---|
| 1,000円 | 108円 | 892円 |
| 2,000円 | 217円 | 1,783円 |
| 3,000円 | 326円 | 2,674円 |
| 5,000円 | 544円 | 4,456円 |
| 10,000円 | 1,089円 | 8,911円 |
ざっくり注文合計の約1割が手数料と覚えると暗算の見当がつきます(3,000円なら約330円弱)。ただしこの金額からさらに、実際に自分が払う発送費を引いたものが本当の手取りです。次の表で送料込みの実計算を見ます。
ここがminne特有のつまずきどころです。minneでは購入者が払った送料もいったん売上金に含まれ、その合計に手数料がかかります。一方で出品者は実際の配送費(クリックポスト・ゆうパックなど)を自分で負担します。両方を入れて計算すると、手取りはこうなります(手数料10.89%・2026年時点)。
| 作品価格 | 設定送料 | 注文合計 | 手数料(10.89%) | 手数料後 | 実際の発送費 | 実質手取り |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1,500円 | 230円 | 1,730円 | 188円 | 1,542円 | 230円(クリックポスト相当) | 1,312円 |
| 3,000円 | 230円 | 3,230円 | 351円 | 2,879円 | 230円 | 2,649円 |
| 5,000円 | 520円 | 5,520円 | 601円 | 4,919円 | 520円(ゆうパック等) | 4,399円 |
注目してほしいのは、設定送料の分にも手数料がかかっている点です。たとえば送料230円を価格に乗せても、その230円に対しても約25円(230×10.89%)の手数料が発生します。「送料は実費だから手数料はかからない」と考えると、その分だけ手取りを多く見積もってしまいます。低価格+送料込みの作品ほど、この影響が効いてきます。
欲しい手取りから出品価格を逆算するときは、手数料率を引いた割合で割り戻します。PLUS非会員(10.89%)なら、手数料を引いた後に残したい金額を 0.8911(=1−0.1089) で割ると、必要な注文合計が出ます。
必要な注文合計 = 手数料控除後に残したい金額 ÷ 0.8911
PLUS会員(10.56%)で計算するときは、割る数を 0.8944(=1−0.1056) に変えるだけです。式の形は同じなので、料率や会員区分が変わっても使い回せます。
minneでの販売を続けて申告が必要になる規模になると、1件ずつの手取りより1年分の合計を区分ごとに出すことが重要になります。ここで多い取りこぼしが、振り込まれた金額(手数料・振込手数料が引かれた後)をそのまま売上にしてしまうことです。これだと売上が小さく出て、本来経費にできる販売手数料・振込手数料・発送費を計上できません。
正しくは、次のように区分を分けて集計します。
| 集計する区分 | minneでの中身 | どこで把握するか |
|---|---|---|
| 売上(収入) | 注文合計(作品価格+送料+オプション。手数料が引かれる前の金額) | 注文明細・売上レポートの「売上代金/注文金額」 |
| 販売手数料 | 注文合計×手数料率(売れるたびに発生・切り捨て) | 明細の「販売手数料」の行 |
| 発送費 | 出品者が実際に負担した配送費用 | 配送伝票・購入した送料分(自分の支払い記録) |
| 振込手数料 | 売上金の出金1回ごとのコスト(220円) | 振込履歴(発生した分) |
イメージは「3,230円の注文が成立したら、売上3,230円・手数料351円・発送費230円を別々に積み上げる」です。年末にこの区分ごとの合計を出すと、売上合計 − 手数料合計 − 発送費合計 − 振込手数料 − その他経費 でその年のもうけ(所得)の素地ができます。区分を最初から分けておくのがいちばん楽です。
なお、どの支出が経費に当たるか(経費該当性)・申告が必要かどうか・所得区分や控除などの税務上の取扱いは、状況によって個別に変わります。判断に迷うものは税理士または所轄の税務署にご確認ください。本記事は計算と集計のしかたを整理する一般的な解説で、税の判断は行いません。
取引が増えると、1件ずつ電卓で「注文合計×10.89%を切り捨てて…」と計算して合計するのは現実的ではありません(必ずどこかで足し間違えます)。minneの売上明細はCSVで書き出せるので、手で転記せずCSVを読み込んで区分ごとに合計するのが確実です。
売上CSVを読み込むだけで、売上・販売手数料・送料・原価を区分ごとに自動集計します。1件ずつ電卓を叩く必要はありません(ファイルはブラウザ内で処理し、どこにも送信しません)。
発送費・資材費などの経費は、費目区分のまま記録しておくと年末の合計が一瞬で済みます。記入例つきの無料テンプレもどうぞ。