BASEの手数料は 決済手数料(3.6%+40円)+サービス利用料(3%) の2階建てです。だから「○%」の一本では出せません。逆に言えば、2つを足すだけと分かれば、料率が将来変わっても同じ手順でシミュレーションできます。1件ずつの分解計算と、価格帯ごとの手取り早見表・実質料率まで一気に整理します。
BASEで商品が1件売れたとき、無料で始められるスタンダードプランでは次の2種類の手数料が差し引かれます。
手数料合計 =(販売価格 × 3.6% + 40円)+(販売価格 × 3.0%)
つまり覚えるのは「3.6%+40円を引く → さらに3%を引く」の2ステップだけ。上の値は2026年時点のもので、改定があるため最新はBASE公式の料金ページで確認してください。料率の数字を暗記するより、この「2つを足す」形を覚えるのが、改定に強い計算法です。
具体的な数字で1件分を分解してみます。販売価格3,000円の商品が1件売れた場合(スタンダードプラン)はこうなります。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 決済手数料(料率) | 3,000 × 3.6% | 108円 |
| 決済手数料(固定) | + 40円/注文 | 40円 |
| サービス利用料 | 3,000 × 3.0% | 90円 |
| 手数料合計 | 108 + 40 + 90 | 238円 |
| 入金額(手取り・送料別) | 3,000 − 238 | 2,762円 |
ここで効いてくるのが固定の40円です。料率(3.6%+3%=6.6%)だけなら3,000円で198円ですが、それに40円が乗って238円。販売価格が小さいほど、この40円の重みが相対的に大きくなります。次の早見表でその効きが一目で分かります。
スタンダードプランで、販売価格ごとに手数料合計・手取り(送料別)・実質料率を出した早見表です。実質料率は 手数料合計 ÷ 販売価格 で、「結局、価格の何%が手数料か」を表します。
| 販売価格 | 決済(3.6%+40円) | サービス(3%) | 手数料合計 | 手取り | 実質料率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 500円 | 58円 | 15円 | 73円 | 427円 | 約14.6% |
| 1,000円 | 76円 | 30円 | 106円 | 894円 | 約10.6% |
| 3,000円 | 148円 | 90円 | 238円 | 2,762円 | 約7.9% |
| 5,000円 | 220円 | 150円 | 370円 | 4,630円 | 約7.4% |
| 10,000円 | 400円 | 300円 | 700円 | 9,300円 | 約7.0% |
注目したいのは実質料率の動きです。料率は一定(6.6%)なのに、実質料率は500円で約14.6%、10,000円で約7.0%と大きく下がります。原因は固定の40円。安い商品ほど40円が重くのしかかるため、低単価品ほど手数料負けしやすいのがBASE(とくにスタンダードプラン)の計算上のクセです。少額の商品はまとめ売りやセット販売で1注文あたりの単価を上げると、40円の負担が薄まります。
「この手取りが欲しい」から販売価格を決めたいときは、上の式を逆に解きます。スタンダードプランの手取りは 手取り = 販売価格 ×(1 − 0.066)− 40 = 0.934 × 販売価格 − 40 なので、逆算式はこうなります。
必要な販売価格 =(欲しい手取り + 40)÷ 0.934
送料込みで出すなら、欲しい手取りに送料を足してから割ります((手取り + 送料 + 40)÷ 0.934)。料率が改定されても、0.934 の部分を「1 − 合計料率」で置き換えるだけで同じように逆算できます。
BASEには月額0円のスタンダードプランのほかに、月額制のグロースプランがあります(2026年時点)。手数料体系が違うので、売上規模によって有利・不利が入れ替わります。
| 項目 | スタンダードプラン | グロースプラン |
|---|---|---|
| 月額 | 0円 | 16,580円(2026時点・支払い方法で異なる) |
| 決済手数料 | 3.6% + 40円/注文 | 2.9% |
| サービス利用料 | 3.0% | 0%(なし) |
| 1件あたりの実質 | 6.6% + 40円 | 2.9%(+月額が別途) |
分岐点は「月額16,580円を、手数料の差で取り返せるか」で決まります。1件あたりの手数料の差は、料率で 6.6% − 2.9% = 3.7%、さらに固定の40円。月の売上を S、注文件数を N とすると、損益が一致するのは次の式のときです。
0.037 × S + 40 × N = 16,580
平均単価(S ÷ N)によって分岐ラインは動きます。ざっくりの目安はこうです。
| 平均単価 | グロースが得になる月商の目安 |
|---|---|
| 3,000円 | 約33万円〜 |
| 5,000円 | 約37万円〜 |
| 10,000円 | 約40万円〜 |
大づかみには月商30〜40万円あたりが分岐点で、これを安定して超えるならグロースプランで手数料を下げたほうが有利になりやすい、という見立てになります。月額・料率は改定されるため、実際の判断は公式の最新料金で再計算してください。なお、Pay IDアプリ経由の注文は手数料体系が異なる場合があるため、明細で実際に引かれた額を確認するのが確実です。
BASEでの販売を続けて申告が必要な規模になると、1件ずつの手取りより1年分の合計を区分ごとに出すことが大事になります。ここで多い取りこぼしが、BASEから入金された金額(手数料・送料が引かれた後)をそのまま売上にしてしまうことです。これだと売上が小さく出て、本来経費にできる手数料・送料を計上できません。
正しくは、次のように区分を分けて集計します。
| 集計する区分 | BASEでの中身 | どこで把握するか |
|---|---|---|
| 売上(収入) | 販売価格(手数料が引かれる前の金額) | 注文データ・売上の明細の「商品代金/販売価格」 |
| 決済手数料 | 販売価格×3.6%+40円/注文 | 明細・売上CSVの手数料の列 |
| サービス利用料 | 販売価格×3.0%(スタンダードの場合) | 明細・売上CSVの利用料の列 |
| 送料 | 出品者が負担した発送費用 | 発送時の配送伝票・送料の記録(出品者負担分のみ) |
イメージは「3,000円で売れたら、売上3,000円・決済手数料148円・サービス利用料90円を別々に積み上げる」です。年末にこの区分ごとの合計を出すと、売上合計 − 手数料合計 − 送料合計 − その他経費 でその年のもうけ(所得)の素地ができます。区分を最初から分けておくのがいちばん楽です。
なお、どの支出が経費に当たるか(経費該当性)・申告が必要かどうか・所得区分や控除などの税務上の取扱いは、状況によって個別に変わります。判断に迷うものは税理士または所轄の税務署にご確認ください。本記事は計算と集計のしかたを整理する一般的な解説で、税の判断は行いません。
注文が増えると、1件ずつ電卓で「3.6%+40円」と「3%」を引いて合計するのは現実的ではありません(必ずどこかで足し間違えます)。BASEの注文・売上データはCSVで書き出せるので、手で転記せずCSVを読み込んで区分ごとに合計するのが確実です。
売上CSVを読み込むだけで、売上・決済手数料・サービス利用料・送料・原価を区分ごとに自動集計します。1件ずつ電卓を叩く必要はありません(ファイルはブラウザ内で処理し、どこにも送信しません)。
経費を費目区分のまま記録しておくと、年末の合計が一瞬で済みます。記入例つきの無料テンプレもどうぞ。